ブログトップ | ログイン

blessing Hill

megumonji.exblog.jp

『ピダハン』読み終わって

西洋人であるわれわれが抱えているような
さまざまな不安こそ、
じつは文化を原始的にしているとは言えないだろうか。
こちらの見方が正しいとすれば、
ピダハンこそ洗練された人々だ。
こじつけがましく聞こえるだろうか。
どうか考えてみてほしいー
畏れ、気をもみながら宇宙を見上げ、
自分たちは宇宙のすべてを理解できると信じることと、
人生をあるがままに楽しみ、
神や真実を探求する虚しさを理解していることと、
どちらが理知をきわめているかを。

かなりぶあつい本で、
言語学に関する難しい部分もあったのですが、
一応一般向けに書かれているため、
なんとか読み終わりました。

キリスト教の伝道師の著者が、
アマゾンの奥地に住むピダハンという人々と一緒に生活し、
ピダハンの言語や言語の背景となる文化、習慣、を学んでいきます。

伝道師なので、
目的はキリスト教を広めることなのですが、
最終章のタイトルは「伝道師を無神論に導く」となっていて、
とっても読みごたえがありました。

「右」「左」の概念がなかったり、
創世神話を持たなかったり、
数がなかったりと、
わたしたちの文明との違いは数え上げればキリがないほどですが、

彼らの幸福感にあふれた表情は、
著者以外の研究者も感じていたそうで、
その秘密というか、彼らの生き方の核心に触れた著者が、
信仰を捨て、家族とも別離する過程は
興味深かったです。

著者が属ずるキリスト教を基盤とした西洋文明と、
わたしたちが住む日本の文明では、
宗教観が違うためなのか、
最終的に至った心境がちょっとよくわからない部分もありました。

日本人とピダハンのほうが、
もしかしたら、共通点が多いかもしれないですね。


ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観

ダニエル・L・エヴェレット / みすず書房


by megumonji | 2012-05-14 16:35 |
<< 湯のみ 織部のマグカップ >>